経費レシートを電子化する3つの方法|電子帳簿保存法対応・原本破棄までの手順
経費レシートを電子化する3つの方法|電子帳簿保存法対応・原本破棄までの手順

経費のレシートが溜まる一方で、整理が追いつかない。
そんな悩みを抱える個人事業主や経理担当者が増えています。
電子帳簿保存法の改正により、2022年以降はレシートをスキャンしてデータで保存することが正式に認められ、条件を満たせば紙の原本を破棄することも可能になりました。
- レシートの山をどう片付ければいいか分からない
- スマホ撮影で本当に法令に対応できるか不安
- 電子帳簿保存法の要件を満たしているか確認したい
この記事では、レシートを電子化する3つの方法の比較から、電子帳簿保存法の保存要件チェックリスト、原本破棄の条件まで、ひとつの記事で完結させます。
レシートの電子化とは?電子帳簿保存法の基本を3分で理解
電子帳簿保存法の改正でレシートの電子保存が認められた
電子帳簿保存法(電帳法)は、紙で受け取った書類を電子データとして保存することを認める法律です。2022年1月の改正で大幅に緩和され、レシートや領収書をスマホやスキャナーで撮影・スキャンしたデータを正式な証憑として保存できるようになりました。
従来は「タイムスタンプの付与が7営業日以内」という厳格な要件がありましたが、現在は事務処理規程を定めることで最長2か月と7営業日以内まで猶予が拡大されています。中小企業・個人事業主にとって実務負担が大きく軽減された改正です。
原本(紙)は破棄できる?電子保存の3つの条件
電子保存に対応した方法でスキャン・撮影を行えば、紙の原本は破棄してかまいません。ただし、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 解像度200dpi以上・24ビットカラーで保存すること(スキャナー・スマホ共通)
- タイムスタンプを付与すること(または事務処理規程を整備し、訂正削除の防止措置を取ること)
- 日付・金額・取引先名で検索できる状態で保存すること
これらをすべて自分で管理するのは手間がかかります。後述する「スキャナーを使った電子化」では、この3条件を自動的にクリアできるケースが多く、実務的には最もミスが少ない方法です。
経費レシートを電子化する3つの方法を比較
電子化の方法は大きく3つに分かれます。それぞれのコスト・画質・法令対応のしやすさを比較した上で、詳しく解説します。
| ①スマホアプリ | ②ADF・フラットベッド型 | ③オーバーヘッド型スキャナー | |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 無料〜月数百円 | 1〜5万円程度 | 3〜6万円程度 |
| 解像度(法令要件) | △ 機種依存・設定要 | ○ 対応機種が多い | ◎ 全機種200dpi以上 |
| 複数枚の一括処理 | ✕ 1枚ずつ | ○ ADF機能あり | ◎ 並べて一括スキャン |
| くしゃくしゃ・折れへの対応 | △ 歪み補正が甘い | ✕ 紙詰まりの原因になる | ◎ 非接触で自動補正 |
| タイムスタンプ自動付与 | ○ 対応アプリあり | △ ソフト設定が必要 | ◎ 対応機種あり |
| おすすめシーン | 外出先・少量処理 | 大量の平らな書類 | レシートのまとめ処理 |
①スマホアプリで撮影する方法
最も手軽な方法です。freeeやマネーフォワードなどの経費精算アプリには、スマホカメラで撮影するだけでOCRが走り、日付・金額・取引先名を自動入力してくれる機能が標準搭載されています。
メリット:外出先でその場で処理できる。追加ハードウェア不要。
デメリット:スマホの機種や撮影環境によって画質にばらつきが出やすい。くしゃくしゃになったレシートは歪み補正が甘く、200dpiを下回るケースがある。1枚ずつしか処理できないため、まとめて処理する際は時間がかかる。
②フラットベッド・ADF型スキャナーを使う方法
コピー機のような形状のフラットベッド型、または自動給紙(ADF)機能を持つシートフィード型スキャナーを使う方法です。解像度の安定性は高く、法令要件を満たしやすい反面、レシートの運用には注意が必要です。
メリット:解像度が安定している。ADFタイプは複数枚を連続処理できる。
デメリット:くしゃくしゃになったレシートや感熱紙はADFに通すと紙詰まりの原因になる。セットする向きを毎回揃える手間がある。フラットベッド型は1枚ずつ手動でセットする必要がある。
③オーバーヘッドスキャナーで一括スキャンする方法
カメラが上部に付いた「置くだけ」タイプのスキャナーです。レシートをマットの上に広げるだけでスキャンが完了するため、くしゃくしゃのレシートも、折り畳まれたレシートも、1枚ずつ整える手間なく処理できます。
メリット:複数枚を並べて一括スキャンできる。非接触なので感熱紙を傷めない。自動補正機能で歪みや影を除去し、200dpi以上の安定した画質を確保できる。
デメリット:初期投資として3〜6万円程度の費用がかかる。
レシート専用の選び方については、 ▶︎ レシートスキャナーの選び方|CZURでレシートの山を「1秒」でデジタル化する裏ワザ も参考にしてください。
電子帳簿保存法の保存要件チェックリスト

どの方法で電子化するにしても、電子帳簿保存法の「スキャナ保存要件」を満たさなければ原本を破棄することはできません。以下の3つの要件を必ず確認してください。
解像度・カラー要件(200dpi以上・24ビット)
スキャンしたデータは解像度200dpi以上・赤・緑・青それぞれ256階調(24ビットカラー)以上で保存する必要があります。スマホアプリを使う場合は、アプリ側の設定で解像度を確認しておきましょう。スキャナーを使う場合は、製品仕様に「200dpi以上」「24ビットカラー対応」と明記されているかチェックしてください。
CZURのオーバーヘッドスキャナーは全機種が200dpi以上・24ビットカラーに対応しており、設定変更なしで要件を満たします。
タイムスタンプ要件
スキャンデータにタイムスタンプを付与するか、もしくは事務処理規程を定めて訂正・削除の防止措置を講じる必要があります。タイムスタンプは「受領後おおむね2か月と7営業日以内」に付与すれば要件を満たします。
freeeやマネーフォワードなどの主要な経費精算ソフトは、スキャンと同時にタイムスタンプを自動付与する機能を持っています。スキャナー単体で使う場合は、対応する会計ソフトと組み合わせて使うか、自社で事務処理規程を整備する方法を選びましょう。
検索要件(日付・金額・取引先名)
取引年月日・金額・取引先名の3項目で検索できる状態で保存する必要があります。OCR機能が付いた経費精算ソフトであれば、スキャンと同時に自動入力されるため、この要件は自然に満たされます。
スキャナー単体でPDF保存する場合は、ファイル名に「20260115_1500_セブンイレブン.pdf」のように日付・金額・取引先を含めるか、会計ソフト側でメタ情報として管理する方法が一般的です。
電子帳簿保存法とスキャナー選びの詳しい解説は、 ▶︎ 【2026年最新】電子帳簿保存法とスキャナー選び 完全ガイド をご覧ください。
レシート電子化アプリおすすめ比較(スマホ派向け)
スマホアプリを使った電子化を検討している方向けに、主要3サービスを比較します。いずれも電子帳簿保存法のスキャナ保存要件に対応しています。
freee・マネーフォワード・楽楽精算の3択比較
| freee経費精算 | マネーフォワードクラウド経費 | 楽楽精算 | |
|---|---|---|---|
| OCR精度 | ○ | ○ | ◎ |
| タイムスタンプ自動付与 | ○ | ○ | ○ |
| 複数枚まとめ読み取り | △ | △ | ○ |
| 料金目安(月額) | 会計ソフトとセット | 2,980円〜(50名以下) | 要問い合わせ |
| こんな人に向いている | freeeで会計も一元管理したい | 個人〜中小企業で手軽に始めたい | 中規模以上で申請・承認ワークフローが必要 |
スマホアプリは手軽さが最大のメリットですが、まとめて処理したいレシートが月に50枚を超えるなら、1枚ずつ撮影する手間が積み重なります。月次でまとめてスキャンする習慣があるなら、次に紹介するスキャナーとの組み合わせが効率的です。
スキャナーでレシートを電子化するメリット
複数枚一括・自動補正・高解像度で法令要件を確実にクリア
スキャナーを使った電子化の最大のメリットは、法令要件を設定なしで安定的に満たせることです。スマホ撮影の場合、撮影の角度・光量・手ブレによって画質がばらつきますが、スキャナーは毎回一定の解像度・色深度で保存できます。
特にオーバーヘッドスキャナータイプは、複数枚のレシートをマット上に並べてボタン1つで一括スキャンし、個別のファイルとして自動切り出しする機能を持つ製品があります。月末に溜まったレシートをまとめて処理するサイクルにぴったりです。
CZURオーバーヘッドスキャナーでレシート管理を自動化する方法

CZURのオーバーヘッドスキャナーには「マルチターゲットページング」機能が搭載されており、マット上に並べた複数枚のレシートを1度のスキャンで個別ファイルとして切り出すことができます。感熱紙レシートも非接触でスキャンできるため、ADF型のように紙詰まりが起きる心配がありません。
全機種が200dpi以上・24ビットカラー対応で電子帳簿保存法の解像度要件を満たしており、CZUR専用ソフトウェアからPDFまたはJPEG形式で保存できます。
- 解像度:200dpi以上(全機種)
- カラー:24ビット対応(全機種)
- 一括スキャン:複数枚を並べて自動切り出し
- 感熱紙対応:非接触スキャンで紙詰まりゼロ
▶︎ CZUR Aura Pro(コンパクトモデル)の詳細を見る
▶︎ CZUR ET24 Pro(A3対応モデル)の詳細を見る
機種ごとの特徴と選び方の詳細は、 ▶︎ 【電子帳簿法対応】レシートスキャナーで失敗しない選び方|紙詰まりゼロ・置くだけ1秒の最新管理術 をご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. スマホ撮影と専用スキャナー、どちらが法令に準拠しやすいですか?
A: どちらでも法令要件を満たすことは可能ですが、安定性という点ではスキャナーの方が優れています。スマホ撮影は撮影条件によって解像度が200dpiを下回るケースがあり、毎回品質を担保するのが難しい面があります。スキャナーは設定を固定できるため、ミスが起きにくいです。
Q2. 個人事業主と法人で保存期間は違いますか?
A: 法人は原則7年間の保存が必要です。個人事業主は5年間が基本ですが、前々年度の事業所得が300万円を超える場合は7年間が必要になります。電子データの保存も紙と同じ期間が適用されます。
Q3. 電子化したレシートのファイル形式はPDFでいいですか?
A: PDFで問題ありません。電子帳簿保存法ではファイル形式の指定はなく、解像度・カラー要件・検索要件を満たしていればJPEGやTIFFでも認められています。ただし、会計ソフトへの取り込みやすさからPDFが最も一般的です。
まとめ|レシートの電子化は「方法選び」が9割
経費レシートの電子化は、電子帳簿保存法の要件を満たす方法を選べば、紙の原本を破棄して完全にペーパーレスで管理できます。
外出先で1枚ずつ処理するならスマホアプリ、月末にまとめて処理するならオーバーヘッドスキャナーが最適。
どちらを選ぶにしても、「200dpi以上・24ビットカラー・タイムスタンプ・検索要件」の4点を満たすことが前提条件になります。レシートの量や処理スタイルに合わせて、自分に合った方法を選んでください。
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